「迷彩」

迷子の子供は 迎えが来るから
ずっとそこで泣いていてもいい
死角で見えずに 名前を呼ぶ声
きっと母も泣いていた
 
昼間を夜へと 導く夕闇
一体 影法師(かげ)はどこまで伸びる
電線網目の 空への視界は
きっと夢を騙し続けた
 
息をしながら 生きていることを
忘れてしまうから
思い出させるよに 肌が触れるひととき
 
混ざったのは 愛の蜜と血の滴
時を重ねた 過去と現在(いま)
止まっていた ホスピタルの零時に
桜が 夜を飾る

 
 
胎児の頃から 遺伝子たちには
きっとなにかを聴いた気がする
生まれた姿を あなたに捧げて
ずっと意味を探り続けた
 
紫色の 染めた厚化粧
どんな夢をみても
二人の運命を コウノトリが間違う
 
綴(つづ)ったのは 愛し合うと燃え出した
赤い命の 罪と悲歌(ひか)
残ったのは 二人のために揺れた
秘密の その揺り籠

 
 
静か過ぎると 嘘は暴かれる
眠れない夜には
月の忍び影に 夢枕を疑う
 
混ざったのは 愛の蜜と血の滴
時を重ねた 過去と現在(いま)
過ぎったのは 愛するために満ちた
夜桜 咲き乱れる