スレイヤーズいみていしょん

第5話

 

 

 「・・・どういうおつもりですか?」
 「別にたいしたことじゃないわ。私はただ、欲しいものを手に入れる為に、邪魔なものをどかしただけよ」

 言っている間にも、箱は少しずつ開き始める。

 「そうですか。貴女がそういうおつもりでしたら、僕も同じ事をしますよ?」
 「ふっ。そんな動けない状況で、何をどうしようっていうわけ?」
 「おやおや…、信じていないようですね。僕が魔族だっていうことを。
  ・・・目的の為なら、同属だって喜んで殺すんですよ…?」

 言いながら、杖を一振り。

 さっきまで自由を奪っていたものが儚く消える。

 「っな!?」
 「さてと・・・ルセアさん、覚悟はいいですか?」
 「くっ!」
 「――おっと。その前に封印が完全に解けてしまったようですねぇ」
 「・・・・・・!」

 ニコニコと言うゼロスとは逆に、ゼロスへの恐怖と自分が手に入れようとしていたモノの正体に、ルセアは完全に言葉をなくしていた。

 

 

 「・・・・・・オレの封印を解いたのは誰だ・・・?」

 

 

 そこには、耳の長い、ラミィと同じエルフが立っていた。

 「この人間ですよ」

 と、ゼロス。

 「そうか・・・ならお前には、死んでもらうとするか・・・」

 言うと、片手をルセアの額に向ける。
 その手から、衝撃波が放たれようとしたその時!

 

 

 どがあぁぁぁぁん!!

 

 「やあぁっっと見つけたぁっ!」

 そろそろ破壊にも飽きてきた頃、あたしはようやくルセアさん達を見つけた。
 このぅ・・・ゼロスにはたぁっぷりとお礼をしなくちゃねぇ。

 「リナさん・・・また随分とタイミングのいい時に出て来ますねぇ」
 「『出て来ますねぇ』ぢゃないっ!」

 ぐしっ!

 とりあえず、首を絞める。

 「なんであたしをテレポートさせたのっ?なんか恨みでもあるわけ?
  あたしだけを飛ばすなんてっ!どうせ飛ばすんなら、ルセアさん飛ばしなさいよっ!」
 「それなんですけどね」

 ゼロスが指さした先を見れば、何かに怯えているルセアさん。
 その視線の先には・・・・・・

 「!」

 い・・・今までゼロスをどつく事しか考えてなかったから気づかなかったけど・・・どう見てもエルフよね・・・。にしては、なんだか殺気立ってるような??

 「貴様・・・いい度胸だな。このオレを無視するとは」

 い、いや、無視するしない以前に、気づかなかったんだけど・・・言うのやめとこ。なんか怖いから。

 「あたしはリナ。あなたは?」
 「オレの名はカオス。永き時を封印されし者」
 「ふぅん。・・・さ、ゼロス。もうここまで関わっちゃった以上、説明してくれてもいいわよね?」
 「仕方ありませんねぇ。でもその前に、カオスさんはご機嫌ナナメのようですよ」

 

 

 どぐがあぁぁぁぁぁあんっ!!

 

 

 「っな!」

 崩れゆく神殿。

 砂煙がおさまった後には、あたし達4人とカオスとやらが佇むのみ。
 それも、カオスの破壊力は並大抵のものではない。
 なぜそんな奴を封印していたか、ようやくあたしは理解した。

 「オレは、寝起きが一番機嫌が悪い。貴様らには運動がてら付き合ってもらうぞ」

 言って、問答無用で攻撃してくる!

 こいつっ!!

 「いいわっ!ちょうどあたしも機嫌悪いとこよ!
  あんたの戯言に付き合ってあげるから感謝しなさいっ!」
 「・・・言ってくれるな、小娘」
 「ゼロス!こいつ、ぶち倒しちゃっても問題ないわよね?」
 「ええ。僕たちには、不要なものと分かりましたから」
 「ゼロスさまっ!」

 すがるように言うラミィ。
 そりゃそうだろう。あたしのさっきのセリフもだが、ラミィの同属を倒す、それも不要だと言い放たれて。

 だが、ここで奴を止めなければ生きている者には面白くない結末が待っているだろう。

 それが分かっている以上、放っておく気にはならない。

 それに!なにより楽しみにしてたお宝がぁ!こぉんなめーわくな兄ちゃんだったなんてっ!

 「ゆくぞ・・・」

 言うと、先ほどと同じく衝撃波を打ってくる。しかも・・・。

 とっても沢山。

 反撃する暇もない。隙がないというようは、ただやみくもに攻撃しているようにしか思えない。
 何か考えでもあるんだろうか。

 こうなったらちょっと辛いが、攻撃をかわしつつ呪文を唱えるしかない!

 

 黄昏よりも昏きもの
 血の流れより紅きもの
 時の流れに埋もれし
 偉大なる汝の名において

 

 「お兄ちゃん!」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?

 びくん。

 カオスもその言葉が気になったのか、反応して動きが止まった。
 かくいうあたしも、呪文を中止してしまった。

 「・・・どういう事ですか?ラミィさん」

 ゼロスも事態を把握してないらしく、ラミィに直接聞いている。

 「あのね!思い出したの!
  ラミィにはお兄ちゃんがいて、今はどこかに眠ってるって!」
 「・・・お前・・・今、ラミィと言ったか?」
 「そうよ、お兄ちゃんっ!ラミィの事、覚えててくれてる?」
 「・・・ああ。お前は小さい頃から泣き虫だった」

 ・・・・・・何だ何だ何だ??
 よりにもよって、ラミィとカオスが兄弟??

 あああああ、ますますストレスのやり場が無くなっていく・・・。

 ・・・と、いう事は・・・

 「これ以上お兄ちゃんを攻撃しないでっ!!」

 「やっぱり・・・」

 

 

 

 

 「お兄ちゃん・・・」

 嬉しそうに手を差し出すラミィに、カオスがその手を握り返そうとして。

どばあぁぁぁぁぁんっ!!

 『・・・・・・・・・・・・。』

 何が起こったか分からずに、呆然と立ち尽くすあたし達。またしてもカオスが衝撃波を放ったのだが・・・。

 その本人も、心なしか焦っているように見えるのは、あたしの気のせいなんだろーか・・・?

 「お・・・お兄ちゃん・・・?」
 「・・・すまない。分かってはいるんだが、どうにも力の制御ができなくてな」

 ・・・もしかして・・・

 「あのー。ひとつ聞きたいんだけど」
 「なんだ?」
 「あなたが封印された理由って・・・」
 「そうだ。力の制御ができないうえに開放ばかりするのでな。危険人物とみなされてここに閉じ込められた。
  オレとしては、封印されるより一思いに殺ってほしかったんだがな」

 「ぢゃあ、あたしが勝っても良かったと?
  っていうか、要は、力がセーブできれば問題はないのね。
  幸い、ここに『そーゆーこと』が出来る奴がいるんだけど。ね、ゼロス?」
 「そうくると思いました・・・。しかし、僕としましては、破壊して下さったほうが都合が良いのですが」
 「何言ってんのよ。破壊は『魔族』の役目でしょ?
 エルフに手伝ってもらわないといけないくらい不景気なわけ?
 ふっ。落ちたモンね」
 「ゼロスさまっ!ラミィからもお願いっ!お兄ちゃんと一緒に暮らしたいのっ!!」
 「・・・仕方ありませんねぇ」

 しぶしぶカオスに近づくと、なにやら唱えはじめる。

 「はい。終わりましたよ。これで普通のエルフと変わらないはずです」
 「良かったわね。カオス」
 「ああ」

 「さてっと。そろそろ僕はこのへんで失礼しますよ。獣王様にご報告しなければならないので」
 「ゼロスさま・・・」
 「そんな哀しい顔しないで下さい。お兄さんとお幸せに」
 「はい」
 「それでは、リナさんもお元気で」
 「ふっ。あたしがダウンするとでも思ってるの?」
 「ははは。無駄な心配でしたね。では、失礼します」

 

 

 

 

 

 「これからどうするの?村に帰って過ごすの?」
 「うん。そうしようと思う。お兄ちゃんもこれなら村の人に受け入れてもらえると思うし」
 「そう。家まで送っていこうか?」
 「ううん、大丈夫。純魔族でも出てこない限り敵はいないから。リナさん、そこまで気を使ってくれてありがとうv」
 「いいえ」

 あああ、村まで行って金目のものを貰おうと思ったのに・・・!
 そう笑顔で言われると辛いものが・・・・。

 気がつくと、ラミィとカオスの後姿が小さくなっていた。

 

 

 

 

 「お宝が・・・エルフだったなんて・・・私の・・・今までの苦労が・・・・・・・・・」

 はっ。

 ルセアさん・・・この人、お宝目当てだったんだ。

 「お宝・・・私の・・・お宝・・・」

 ・・・ん?って事は・・・??

 「ルセアさん!」
 「はっ、はいっ!?」
 「ハイじゃないわよっ!始めからお宝目当てで来てたのねっ!!」
 「え、えぇそうですよ!でもリナさんだって、私の依頼ついでにお宝狙ってたんじゃないですかっ?!」

 ぎぎくっ!

 「ほらやっぱり!似た者同士って事で、今までの事、全て水に流しましょうよ♪」
 「あはははは。スルドイところ突いてくるじゃないの♪」
 「いえいえ、そーでもないですよ〜」
 『あはははははは』

 

 「竜破斬っ!!」

 

 

 

 

 かくて、1つの事件(?)は幕を閉めた。
 またしても、儲けナシなのは言うまでもない。

 次からは、もう少し選んで仕事をうけたいと思いマシタ(涙)

 

 

 PS。 因みに、あの竜破斬はルセアさんに撃ったものではありません。念の為。

 

 

 

 完。

 

 

 

 

 

 

あとがき。

やっと終りました。
「ちょっと強引に終わらせてるんじゃないの??」とゆー意見は、却下です。
 分かってます、力量が無い故の結末なんで許して下さい(T_T)

なんだかんだ、ツッコミ入れる所はいっぱいあるのですが、
 さらっと見逃して下さいませ。

実はこの作品は、姐御が高校生の時に授業中に書いていたものです。(マテ。)
片付けていたら発掘したので、UPしてみました。
 何気にキャラ設定(ビジュアル)もあったりするので、いつか描くかもしれません。

 

 

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