Since you are
「…お前ら、クロフトの生体兵器なんだろ?――くくっ。大変だねぇ。そうやって命令されるまま戦い続けるんだろ?!」
全身から血を流して地面に這いつくばった男は、狂気の笑みを浮かべてさらに声を張り上げた。
「兵器だもんなぁ!兵器は戦いの為だけに造られるんだよなぁ!!人の心なんて無いほうが楽だと思わねぇか?!…まったく同情するぜ!!うはははははっ…」
男の笑い声が突然消えた。
静寂が戻ると同時に、思い出したかのように闇が広がる。
一人の少女は震えていた。
手にした拳銃がかたん、と地面に落ちる。
「サミィ。大丈夫か?」
「…うん。なんとか」
二人の存在を強調するかのように月明かりが金髪と銀髪を照らしていた……。
夢を見る。
内容はよく覚えていない。
あるいは、『記憶してはいけない』と自己防衛がはたらいているのかもしれない。
今日もまた見るのだろうか。
悪夢を。
サミィは震えあがった。
あの男の声がよみがえる。
『兵器は戦いの為だけに造られるんだよなぁ!!』
――確かにそうかもしれない。でも、それだけだなんてあたしは思いたくない!
『人の心なんて無いほうが楽だと思わねぇか?』
――人間のあんたに何がわかるっていうの?!
『…まったく同情するぜ!!うはははははっ…』
――ウルサイうるさいウルサイうるさいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!
「サミィ」
「――っ?!」
「ひどくうなされていた」
「…え…?あぁ…うん。なんだか…悪い夢見てたみたい…」
「そうか」
サミィは一息ついた。
それから、傍らに寝そべる男性を見つめた。
左右色の違う瞳が自分を見ている。
無表情だが、サミィにならわかる心配の表情で。
しばし無言で見つめ合っているうちに、乱れていた呼吸が正常に戻ってゆく。
すっと体が楽になって、ゆっくりと目を閉じる。
――ありがとう。イーザー。
どこにも行かないで。
ずっと傍に居て。
サミィは願った。
人間と同じ純粋な心で。
「安心しろ、サミィ。私はどこにも行かない。私のパートナーはサミィだけだ」
大きな手でサミィの頭を撫でながら、いつもの口調でイーザーは言った。
「うん」
サミィはそれだけ答えると、穏やかな眠りについた。
――ありがとう。
初シェリフ小説です。
読んでのとうり、イザサミでございます。
姐御的に、この二人は言葉無くして通じる気持ちがあると思うのですよ。
サミィの不安や恐怖を、イーザーはわかっていると思います。
でも、その不安を取り除くことはできない。だから今できることに集中して生きぬく。むろんサミィも一緒に。
イーザーにしてみれば、そんな感じじゃないかと。
サミィは、メニィやイーザーと比べて、悩んだり怒ったり、一番人間らしいですよね。この話を書くにあたって、下書きした4文の1くらいの文章を削除しました。
なるべく、最低限の文だけにして色々な解釈をしてもらえるようにしたつもりですが…
まだ削れる文があるような…
どうなんでしょう。“それから、傍らに寝そべる男性を見つめた。”のあたり、自分で書いてて「一緒に寝てるのか?おいっ!!」とツッコミを入れてしまいました。
イメージでは、危険な任務中だから同じ部屋→隣同士のベッド。なのですが、まぁ、同じでも良し。っていうか希望?(笑)
題名の『Since you are』は「あなたがいるから」…か?(ナゼか疑問形。)
すいません。エセ英語かもです。自信2パーセントくらい。(−−;)ともかく、『生体兵器』とゆー言葉にちょっぴりブルーになりつつ『最後はしっかりイザサミでオチ』が達成できて良かったです。
次はSSチームの話を書きたいです。あとクイーンとか。
でもテーマが…むぅ。