それぞれの想い (ガウリイサイド)

 

ぱちんっ。

焚き木が、静かに燃えている。

オレは、それを見ながら考えていた。

黄金に輝いていたリナの事を。

経過は覚えていないが、とにかく必死で追いかけたのは覚えてる。

もう、2度と近くにいられないような恐怖を、振り払うように追いかけたのを。

この頃、夜になるたびに思い出すようになっていた。

まるで、心に焼き付けるようにしっかりと、鮮明に・・・

 

「どしたの?ガウリイ」

突然かけられた声に、意識が現実へと戻る。

・・・リナ。

「いや・・・な・・・」

オレはぽつり、と話し出す。

「オレ、この間リナが空に飛んでいった時、凄く恐くなったんだ。」

「あ・・・あの時ね・・・」

リナが苦笑する。

この話をするのは、あの事件があってから初めての事だ。

「へぇ、ガウリイでも恐くなる時があるんだ。」

そうだろうな。

今まで、リナの前でその単語を口にした事はない・・・と思う。

オレの事よりも、リナの不安や恐怖を取り除けたら・・・

そう思っているから。

「オレだって人間だぞ。恐くなる時だってあるさ・・・ま、いつもは口に出す事がないからな。」

オレは苦笑しながら言った。

ふいに、心にあった言葉があふれてくる。

「リナが・・・遠くに行って・・・・・・届かない・・・凄く届かない所に行きそうで・・・置いて行かれそうな気がしたんだ・・・」

気持ちに押し潰されて、自分でも何を言っているのかよく分からなかった。

でも何故か、ちゃんと伝わったのかどうか、リナの顔を見る気にはなれなかった。

「ガウリイ・・・?」

声だけが聞こえてくる。

「リナ。」

オレは、静かに燃えつづける焚き火に、視線を落としながら言う。

「・・・ん?」

言わないほうがいいかもしれない。

でも、言わなければきっと後悔する・・・

そんな気がして、ずっと思っていた想いを口にする。

「もし・・・オレの剣が無くなっても・・・一緒に居てくれるか・・・?」

「・・・っな!何言ってんのよっ!剣はあたしが貰う約束なんだしっ、第一、無くるなん
てある訳無いじゃないっ!

そんな事っ!あんたがどっかに置き忘れて来ない限り大丈夫よっ!!」

――?

「リナっ、泣いてるのか・・・?」

「・・・バカっ。さっきまで泣いてたのはどこのどいつよっ!・・・ったく。ほんっと、クラゲ・・・なんだから。」

あ・・・

「・・・ほんとだ。オレも泣いてた。」

リナの顔を見れば、涙を流しながら、俺を見ている。

今、こんなに近くに居られる・・・

それがどんなに幸せな事か、あの事件以来はっきりと分かるようになった。

もう、あんな辛い思いはしたくない。

このまま、リナと一緒に過ごしていたい。

けど、本当の気持ちを伝えるのは・・・

せめて、もう少しはこのままでいたい・・・。

・・・今は・・・まだ・・・・・・

「リナ・・・」

・・・このままで・・・

「しばらくこうしててやるから、好きなだけ泣いていいぞ」

・・・それは、もしかしたら自分に言った言葉だったのかもしれない・・・


あとがき。
ふう〜っ。頑張りました。
本来、ガウリイサイドが書きたくて考えたのですが、
リナサイドも思いのほか上出来なのが書けましたっ!
ガウリイのだけ読むと、なんだか分からない所もありますが、
リナ編を読んでからなら、描写フォローばっちりですっ!(裏技。)

いつの間にか二人して泣いてたりしますが、
・・・気にしないでくださいね(^^;

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