私の名はキャナル=ヴォルフィード。ソードブレイカーの制御コンピュータです。

私は起動してからまだ1年しか経っていません。

どうやら、私はずっと前から起動していたようなのですがその記憶がありません。

私にキャナルの名をくれたマスターケインの話によると、1年前にある事故があり――――

そのために記憶を失ったのだと教えてくれました。

でも、その事故の話になるとケインは話してはくれません。

ケインと共に仕事をしているミリィにも聞きましたが――――

「そうねぇ……私はつい最近来たから、良く知らないのよ。ごめんね……」

なぜか、辛そうにそう言っていました。

昔、なにがあったのかネットワークで資料を集めれるだけ集め、検索してみましたが今でもわかりません。

私はそれが不安で……怖かった。普通の艦の制御コンピュータならば、そのような感情はなかったでしょう。

ですが、ソードブレイカーはロストシップ―――――古代の失われた技術で創られた艦……

その制御コンピュータである私は人間と変わらない感情を持っています。

でも、最初から感情があったわけではありません。ケインとミリィが私の感情を育ててくれたのです。

だからこそ、不安でした。なにがあったのかを話してはくれないケイン。昔、なにがあったのかわからない。

その不安を更にあおるかのように艦の不調……とても……とても怖かった。

でも、耐えることは出来た。私のマスターであるケインが支えてくれたから――――

ミリィが色々なことを話してくれたから、私はがんばれた。

そう、2人がいたからこそ、今の私がいた。だから、2人には感謝している。

私が私でいられるのは2人のおかげだから―――――



2人が寝ている時間、寝ることのない私はその間を利用して1年前に起きたことを調べていた。

相変わらず、進展はない。巨大犯罪組織の壊滅という記事を見つけたが、昔の私に関係あるかどうかはわからない。

今日もダメなの……そう思った時、なにかが私を包んでいた。

とても暖かくて、優しい何かが……これは…私は知っている?前にもどこかで――――

―――キャナル……あなたはもう1人じゃないから……一緒にいてくれる人達がいるから――――

え?声が聞こえる?

―――だから、今を生きて……昔に囚われず、今を生きて―――

この声は―――

―――私はそれを望むから……だから、がんばって。あなたはあなただから―――

この声は……私、知っている。そう、この声は……私――――

もう1人の私……私の中の私が……いる。この私はどの私なの?

昔の?それとも――――



今、私はあることを決めなければならなくなっていた。

巨大な敵がやってくる。でも、今の私ではその敵と戦うだけの力がない。

方法は1つ。この施設内で私の初期化をして、私を初期状態に戻すだけ――――

でも、そうなると私のこの1年の記憶はすべて失われてしまう。

それが怖かった。思い出を……ケインとミリィとの思い出を失うことがとても怖かった。

でも、そうしなければその敵に勝てないかもしれない。

悩む私にケインはこう言ってくれた。

「もしもの時はお前がどういう奴だったか、また俺達が教えてやるよ」

笑顔で……笑顔でケインはそう言ってくれた。でも、怖いの……

だってそうじゃない……もし、そうなっていたら、その時の私は今の私じゃないから……

だから、嫌……今のままでいたい。また、ケインとミリィと一緒にいたいの。

こんな私の願いはわがままですか?でも、どうすればいいのかわからない。

どうすればいいの?私……

もし、あなたならどうしていたの?教えて……もう1人の…私――――





ども、DRTです。

どうでしたでしょう?即席30分で書いたのですが……

このネタが浮かんだのはドラゴンJr5月号のロストユニバースを読んでなのですが――――

読んだ時、ホントにもうショックでしたね。そんなのがぁぁぁぁぁってな感じです。

これには色々と反響があったようで、ある方は同人のネタとして考えていただけに使おうか悩んでいたそうです。

でもまぁ、これはこれでよかったりしますけどね(なにが!?)

また、機会があったら書くと思います。その時もよろしくお願いいたします。では〜〜〜〜


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